五七五
2014年4月26日 10:41 PM
きょうは「町なか句会」でした。
松山では俳句に親しむ人が多いので、
町なかサロンでも時折、句会を開いています。
痛みがあって、なかなか外に出られないという患者さんも
この句会だけは楽しみにして出掛けてきてくださいます。
リクエストにお応えして、次回は来月25日(日)に開催します。
兼題は「すいか」「あじさい」です。
ところで、松山出身の俳人 正岡子規は
進行した結核が脊髄まで浸潤し、相当な激痛があったそうです。
当時輸入し始められたばかりのモルヒネを使って痛みを抑え、詩作に取り組んだと言われています。
もしモルヒネを使っていなければ、もっと作品は少なかったかもしれません。
俳句の街だからこその「町なか句会」
病気のことでも、それ以外のことでも
仲間と一緒におしゃべりしながら、自分のこころのうちを五七五によみこんでみませんか?
「選択療養制度(仮称)」の創設に反対します
2014年4月20日 12:10 PM
現在、政府の規制改革会議で「選択療養制度(仮称)」の創設に向けての議論が進んでいます。
これは、いわゆる「混合診療」の大幅な拡大を目指すものです。
この問題は、19日付け愛媛新聞でも
「日本の医療の針路を見失うな」と題して、国の姿勢を厳しく問う社説が掲載されました。
わたしたちおれんじの会では他の22のがん患者団体と連名で、
制度創設に反対する要望書を4月15日に提出しました。
長くなりますが、以下に要望書の全文を掲載します。
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厚生労働大臣 田村憲久様
内閣府特命担当大臣 稲田朋美様
国会議員の皆様
「選択療養制度(仮称)」の創設に関する要望書
平素よりがん対策の推進にご尽力いただき、がん患者および家族の立場より御礼を申し上げます。
ご承知のとおり、平成26年3月27日に開催された内閣府の規制改革会議において
「選択療養制度(仮称)」の創設が提案されました。
同制度は「一定の手続きやルールに基づき、患者が自己の選択によって保険診療と併せて受ける保険外診療」であり、
「患者・医師間の診療契約書を保険者に届け出ることで保険給付が行われるようにする」などどされています。
海外で標準的に用いられている治療薬が日本でも早期に承認されること、いわゆるドラッグ・ラグの解消は、
新たな治療薬を求めるがん患者や家族の切なる声であり、
がん患者団体はその解消を求める制度改正等を求める要望活動を行ってまいりました。
そうした要望に対して、必要な治療薬が早期に承認されるための取り組みや制度改正をしていただき、
少しずつ使える治療薬が増えていることに御礼申し上げます。
しかし、新たな治療薬については、科学的根拠に基づいた有効性や安全性の担保が不可欠です。
また、日本のいわゆる国民皆保険制度は、がん患者や家族が安心して保険診療に基づくがん治療を受けるための
いわば命綱となるものです。
今回提案されている選択療養制度については、科学的根拠に基づく有効性と安全性が担保されない自由診療の放任や、
国民皆保険制度のなし崩し的な空洞化につながりかねないと考えられます。
わたしたちがん患者団体有志一同は、以下の要望をいたします。
・有効性や安全性の担保されない自由診療の放任や、国民皆保険制度のなし崩し的な空洞化につながりかねない
「選択療養制度(仮称)」の創設に反対します。
・先進医療制度の見直しなど、科学的根拠に基づく有効性と安全性が担保された治療薬が、
早期に承認されるための取り組みや制度改正を引き続き行うことを要望します。
・がん患者や家族が安心して保険診療に基づくがん治療を受けられるよう、
国民皆保険制度を堅持するための取り組みや制度改正を引き続き行うことを要望します。
以上
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よりよいピアサポートを目指して
2014年4月19日 9:42 PM
わたしたちは、患者や家族としてがんに向き合った経験を活かして
ピアサポート活動に取り組んでいます。
町なかサロンや病院でのサロンで、参加者のみなさんのお話を聞かせていただいています。
常によりよいサポートを目指して取り組んではいますが、
マンネリ化していないか?
固定概念に縛りつけられていないか?
柔軟に、よりよいものを目指していく必要があると思っています。
そのために、県外のサロンを見学したり勉強会に参加したりしています。
きょうは、その報告会を開催しました。
熊本に見学に行ったピアサポーターからは
熊本県内で23ものサロンが独自の取り組みをしつつ、うまく連携している様子が報告されました。
また、子育て世代や働き盛り世代の患者さんのためのサロンの取り組みを聞き
わたしたちも、そのようなサロンが開催できるよう準備を進めていくことを話し合いました。
更に、親を亡くした子どもの支援に関する勉強会に参加したピアサポーターからは
子どものケアの重要性、仲間だからこそできる支援のあり方について話を聞きました。
子どもへの支援はとても難しいものですが、なんとか一歩を踏み出したいと思いを強くしました。
参加したのは、現在実際に活動しているピアサポーター12人。
2時間近くかけて参加した人もあります。
どうすればよりよい寄り添いができるのか?
自分に問い続け、仲間と語り合いながら、これからも活動を続けていきます。
よくない知らせを伝えるとき
2014年4月10日 9:27 PM
愛媛大学病院では、毎月第3水曜に「学び合いサロン」を開催しています。
医療者と患者・家族が、がん医療に関して一つのテーマについて意見を交わし学び合うというものです。
次回のテーマは「悪い知らせを伝えるとき」です。
再発や積極的治療の中止など、患者・家族にとって「よくない知らせ」を伝えるときの
医療者と患者・家族のコミュニケーションについて考えます。
医師役、看護師役、患者役が「模擬告知」を行い
参加者でディスカッションする予定です。
医療者だけの研修会では、このようなロールプレイをすることもあるそうですが
実際の患者・家族も参加する場での試みは珍しいと思います。
患者役は、実際の患者経験者が担当します。
どのような展開になるのか、楽しみです。
がん患者・家族、医療者、医学を学ぶ学生など関心のある方ならどなたでも参加できます。
4月16日(水)18時~19時
愛媛大学病院2号館地下1階 泌尿器科カンファレンスルーム です。
マッサージ
2014年4月8日 9:37 PM
4月例会は、マッサージを楽しみながらの交流会でした。
鍼灸マッサージ師の永吉裕子さんを講師にお迎えし、
自分のカラダをほぐすマッサージや、家族など周囲の人へのマッサージのコツを学びました。
短い時間でも日々続けることが大事、とのこと。
カラダがほぐれたところで、参加者全員で近況報告をしました。
治療から5年を無事迎えた嬉しい報告や、手術を受けて元気になった話。
受診の際に感じた不安や疑問。
「月に一度、ここへ来て、遠慮なく病気の話ができるのが楽しみ」と言う声も聞かれました。
来月の例会は、連休明けの11日(日)「在宅緩和ケア」について勉強する予定です。
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例会を済ませて、その足で出張へ。
東京を経由して新潟へ行ってきました。
一面の雪景色!
日本は広いです・・・。
飛行機、新幹線を乗り継いでの移動はこたえます。
凝り固まったカラダは、自分のマッサージではどうにもならず
プロの手にお願いすることに。
「かなりヒドイ状況ですよ」と言われてしまいました。
たまにプロにお願いするより、日々自分の手入れが大事ということですね。
医療相談
2014年4月4日 10:22 PM
町なかサロンでは、毎週金曜日の午後に医療相談を行っています。
原則第1、第3金曜は医師、第2、第4金曜は看護師が対応します。
医師による相談日は
スタート時からずっと四国がんセンター名誉院長の高嶋成光先生が担当してくださっています。
「病院では、時間に追われて患者さんやご家族と十分に話をすることが少なかった。
ここでゆっくりお話をさせてもらうのが、いまの自分の役目」とおっしゃってくださっています。
看護師による相談日は、一井美哉子さんに担当していただいています。
以前は総合病院でお勤めで、現在は訪問看護師として在宅療養の患者さん・ご家族を支えています。
町なかサロン医療相談の特徴は
ご相談者のご希望があれば、ピアサポーターが同席させていただくことです。
医療者の前で緊張して質問しづらくなっていないか、
専門用語がわかりにくくないか、
自身が患者・家族としてがんと向き合った経験があるからこそわかる不安や疑問を
一緒に考えていくことを心がけています。
医療機関ではありませんから診断・治療はできません。
カルテも検査記録もない中での相談で限界があります。
あくまで、病気との向き合い方についての一つの意見を紹介することに留まりますが
もやもやした不安が整理されたり
最新の知見を聞く事で希望が持てたりすることで
相談する方々の表情が変わっていくのを感じます。
医療相談の予定はトップページでご案内しています。
すべて無料ですので、お気軽にご利用ください。
6日は例会です
2014年4月3日 9:24 PM
愛媛大学病院の桜も満開。
写真を撮った時間には薄曇りでしたが、夜になって雨になりました。
さて、次の日曜はおれんじの会の例会、交流会です。
今回は鍼灸マッサージ師の永吉裕子さんをお迎えします。
自分自身でできるマッサージや、他の人にしてあげる場合のコツなどを学びます。
マッサージしながら、仲間同士で語り合う時間にしたいと思います。
詳細はトップページにご案内を掲載していますのでご覧ください。
多くの方のご参加をお待ちしています。
新年度
2014年4月1日 9:12 PM
新年度が始まりました。
毎年のことですが、年度末は怒涛の日々。
さまざまな会議が集中し、委託を受けている事業の仕上げがあり
書類の提出や各種支払も待ったなしです。
寝る前に締め切りを思い出し、夜中にPCを立ち上げることも…。
スミマセン、ブログの更新ができなかった言い訳です。
気が付けば、桜が満開。
先週末、岐阜市民病院で開かれた市民公開講座でご一緒させていただいた
心療内科医の海原純子先生が
「いま、このときを大事にすることの大切さ」を指摘されていました。
新年度が始まり、考えなければならない事は山積みですが
今年も桜が見られたことに感謝しつつ、目の前の美しさに心を向けていたいと思います。
がんと向き合い自分らしく生きる
2014年3月16日 9:44 PM
きょうは、おれんじの会主催でシンポジウムを開催しました。
テーマは『がんと向き合い自分らしく生きる』
病気になってなお自分らしく生きるために、
仕事や社会とのつながりについて考えるシンポジウムです。
基調講演にはエッセイストの岸本葉子さんをお迎えしました。
ご自身のがんとの向き合いから、
「自分自身の変化を認めること」と「多様な生き方を認めること」
この2つの大切さを語ってくださいました。
後半のパネルディスカッションでは
「働くことを考える~継続就労と転職・就活」をテーマに
医療者、経営者、行政担当者、がん経験者がそれぞれの立場から意見を述べていただきました。
少し硬いテーマで、どのくらいの方が参加してくださるか心配しましたが
約150人の参加があり、アンケートにも多くの意見をお寄せいただきました。
詳しくは、写真と共に後日報告します。
きょうの後半の模様は愛媛CATVで放送されます。
3月24日(月)午前9時~ 初回放送で、その後数回繰り返し放送される予定です。
ことば
2014年3月4日 11:10 PM
きょうは県立中央病院のサロンの日でした。
サロンに参加すると、毎回のようにハッとさせられることばに出会います。
きょうは、ある女性患者さんのことば。
ご本人のご了解をいただいたのでご紹介します。
「あちこち傷だらけのボロボロの車に乗っているようなもの。
でも、たとえどんなに傷だらけの車でも
運転手(=自分)が車に合わせて安全運転してあげれば、
結構どうにかなるもんだと実感してるんですよ」
最初のがん告知から10年以上、何度も何度も手術を繰り返してきた人の言葉です。
こんな気持ちになれない人も多いかもしれません。
なんで自分だけこんなに傷だらけ?
もう少し立派な車なら楽に運転できるのに。
周りがみんなピカピカに見えてしまう。
わたしも、未だにそういうふうに考えてしまうところがあります。
病気さえなければ。
がんにさえならなければ。
でも事実は変えられません。
傷を負った車を、自分で上手に運転していくしかないんだなぁと
改めて考えさせてくれたことばでした。