EAYAN例会・おれんじの会例会
2019年12月9日 8:51 AM
クリスマスカラー!!
昨日は、若い世代の患者さんを対象とする『EAYAN』12月例会と
午後からはおれんじの会の第140回例会でした。
おれんじの会例会では、会員有志のカレーに焼き芋、
たくさんのお菓子まで並びました。
仲間がいる。
ひとりじゃない。
そのことを大事に、これまで活動を続けてきました。
これからクリスマス、お正月と街が華やかになります。
しかし、病気は季節を問わず
華やかさの中で、一層さびしさや悔しさを感じることもあるかもしれません。
わたし自身、治療が一段落して退院したのが11月で
嬉しい気持ちもある一方で
年末年始のにぎやかさを
病気が見つかる前のようには楽しめない思いを経験しました。
お正月を迎えられた感謝とともに
これがいつまで続くのか、不安を誰にも言えない寂しさもありました。
仲間がいる。
ひとりじゃない。
「EAYAN」は次回は1月13日(月・祝)13時~ 町なかサロンにて。
「おれんじの会」は1月12日(日)13時30分~ 愛媛県総合保健協会にて。
詳しくは、089-997-7638へお問合せください。
今治タオルを被災地へ
2019年12月8日 10:22 AM
今治タオルで作った帽子。
自然災害で被害を受けた地域へ贈られます。
今年を振り返ると、
本当に自然災害の多い1年でした。
大雨、台風…。
いまだに不自由な生活を強いられている方もいらっしゃいます。
そうした被災地域で暮らすがん患者さんを支援する活動を続けているのが
ワンワールドプロジェクトという団体です。
東日本大震災をキッカケに患者・家族と医療者で立ち上げた
ボランティアグループで
今年も、自然災害の発生した地域の医療機関へタオル帽子を贈ることになりました。
愛媛に住むわたしたちにもできることはないか?
思いついたのが「今治タオル」です。
会員のツテで、趣旨をご理解くださった今治の花椿テリー株式会社から
特別価格でご提供いただくことができました。
愛媛から東京へ。
ボランティアグループによるチクチク手作業が昨日行われました。
タオルを提供くださった方。
チクチク作業をしてくださった方。
みんなの思いが届きますように。
「ガイドライン」から学ぶ
2019年12月1日 3:40 PM
師走に入りました。
年を取るほどに1年を早く感じるのだそうですが
本当に、あっという間の1年でした。
さて、町なかサロンの特別企画、昨日は乳がん患者さんのためのサロン。
「患者さんのための乳がん診療ガイドライン」をもとに
治療の最新情報を学びました。
講師は、愛媛大学病院乳腺センター長 亀井義明先生です。
特別に用意してくださったと思われる、わかりやすいスライドで
丁寧に、平易な言葉を選んで
ガイドラインを解説してくださいました。
がん治療に関して、多くの診療ガイドラインが作成されていますが
患者向けに、わかりやすく書き換えて発行されているものは多くはありません。
その中で、乳がんに関しては
医療者向けのガイドラインが発行されるたびに
患者向けも発行され
日本乳癌学会のHPから、ネット上で読むこともできるのが特徴です。
「患者さんのために乳がん診療ガイドライン 2019年版」は
http://jbcs.gr.jp/guidline/p2019/
ガイドラインは、いわば治療の道標です。
これを目安に、自分の希望や生活環境などに合わせて
どんな治療法を選んでいくかを
主治医をはじめ医療者と話し合っていくことが大事だと思います。
ところで
乳がんの診療ガイドラインについて
日本で最初に議論されたのは、ここ松山です。
当時の四国がんセンター院長 高嶋成光先生が中心となり
厚生労働省の研究費をもとに議論がスタートしたそうです。
その高嶋先生は、
現役を退かれた後に、町なかサロンで医療相談に対応してくださっています。
主治医に聞きづらいことなどがあれば
ゆっくり相談してみてはいかがでしょうか?
自分らしいキレイのために
2019年11月26日 7:04 PM
きょうは群馬県へ出張していました。
関東地方は、昨日の暖かさから一転して真冬並みの寒さでした。
さて、このたびおれんじの会では新しい事業を始めました。
『自分らしいキレイのために ~ウイッグレンタル事業~』です。
事業のチラシがこちら。
(このHPのトップページからPDFをご覧になれます)
本日付の愛媛新聞に記事が掲載されました。
https://www.ehime-np.co.jp/article/news201911260035
治療の副作用で脱毛すること。
外見が変化していくこと。
同じような経験をしたわたしたちだからこそ
その思いに寄り添いつつ、
自分らしいキレイを探すことのお手伝いができればと思っています。
ウイッグのレンタルが目的でなくても構いません。
お気軽にお電話ください。
町なかサロン 089-997-7638
(平日10時~16時)で受付し
必要に応じて、同じ経験をしたピアサポーターが対応させていただきます。
iPS細胞とがん治療
2019年11月4日 8:37 PM
三連休最終日、松山はさわやかな青空が広がりました。
近畿地方では木枯らし一番を観測したとのこと。
庭の木も、葉を落とし始めました。
さて、昨日は第139回例会でした。
講師に、京都大学iPS細胞研究所准教授の金子 新先生をお迎えしました。
金子先生は松山市のご出身です。
ヒトのiPS細胞から、がん細胞への攻撃力を持つ免疫細胞を
作成することに成功した金子先生。
臨床への応用へ向けての、最新の研究成果についてのお話でした。
とかく最先端の研究のお話は、専門用語が多く難しいものですが
金子先生のお話は、とてもわかりやすく
免疫の働きなどについて、理解を深めることができました。
参加者からは、今後の研究がどう進んでいくのかなど
いくつも質問が出され
それらにも、丁寧に答えていただきました。
医学が進んでいくこと。
その情報に触れることは、わたしたちにとって大きな希望です。
おれんじの会では、今後も最新の情報をお伝えしていきたいと思います。
仲間がいるということ
2019年10月28日 8:12 PM
朝晩は肌寒さを感じるほどになりました。
ご近所のハナミズキも、真っ赤に色づいた葉っぱが舞い落ち始めています。
さて、昨日は
おれんじの会に所属するピアサポーターが集まっての
事例検討会でした。
ピアサポート活動の中で、対応が難しかった事例について
個人情報を除いた形で検討します。
どの活動でも、毎回心を砕いて対応にあたっていますが
振り返ると
「あれでよかったんだろうか?」
「もっとできたことがあったのではないか?」と思うことはしばしばです。
それらについて、意見交換し
これからの活動に役立てていくことを目的としています。
もう一つの目的は
ピアサポーター自身のしんどさを、お互いにサポートし合うこと。
患者・経験者として、家族として
大切な人を見送った経験者として
「ひとりじゃない」ことを確認し合い、チカラを得るのも
大事なことです。
昨日は、あるピアサポーターが炊いた”栗ご飯”を
みんなで分け合っていただきました!
治療を受けていた頃、
退院して、家の窓から外を眺めながら感じた
どうしようもない孤独。
仲間に会いたかった。
いま病気に向き合っている患者さんやご家族
そして、大切な人を見送った方が
同じ経験をした人に会いたい!と思うときに
側にいる。
そのことを大事に、これからも活動を続けていきます。
病気に向き合う子どもと共に
2019年10月22日 7:41 PM
松山は、さわやかな秋晴れの一日でした。
金木犀が満開です。
さて、先週金曜18日に『フットサルリボンinえひめ』が開かれました。
湘南ベルマーレフットサルクラブの選手 久光重貴選手が続けている活動です。
自らも肺がんの治療を続けている久光さん。
試合と治療の合間を縫って全国の病院を訪ね、
小児がんなどの病気に向き合っている子どもたちと
フットサルを通して交流しています。
今回は愛媛新聞社の「愛giverプロジェクト」の一環として
愛媛で初めて実現しました。
記事はこちら
わたしも、子どもたちと触れ合うときに同行させていただきました。
子どもたちと一緒に楽しくボールを追いかけながらも、
常に真剣、全力で向き合っている姿が印象的でした。
病気へ向き合うときにも
その後の人生でも
チャレンジしていくことがとても大事だということを伝えていました。
久光さんの取り組みについては
http://f-ribbon.jp/ をご覧ください。
久光さんと愛媛を結びつけたのは
去年10月に旅立ったわたしたちの仲間。
奇しくも、21日は彼が旅立ってちょうど1年。
残してくれたものは、とても大きくあたたかな実を結んでいます。
病室から見えるもの
2019年10月11日 8:21 PM
台風19号が近づいています。
きょうから、東京で第32回日本サイコオンコロジー学会が開催され
わたしも、明日シンポジウムと市民公開講座に登壇予定でしたが
2日目の日程はすべて休止となってしまいました。
ずいぶん大きな影響が予想されていますが、
どうか被害が少なく過ぎて行ってくれますように。
思いがけず出張がなくなり、少し家の片付けをしました。
我が家にある1枚の絵皿を、ひさしぶりにじっくりと眺めました。。
石鎚山が描かれています。
わたしの前職の上司が描いたものです。
報道記者として最前線で仕事をしていたときに
難病に罹患されました。
入退院を繰り返しながら、
医療や福祉に関するすばらしい番組を次々に作り出していました。
あるとき、入院中にお見舞いにうかがったら
病室には絵やクッションが置かれていて、まるでご自宅のリビングのようでした。
そのときに、奥さまが
「どんな病室だって、少しの工夫で家みたいに快適にできるのよ」と
おっしゃったのが強く印象に残りました。
長く厳しい病気との向き合いへの
覚悟のようなものが込められていたのではないかと思います。
絵皿は、病室から見えた風景を描いたもので
旅立たれた後に送っていただきました。
もう20年以上も前のことになります。
病室からの風景をどんな思いで見ていらしたのか。
どんなことを思っていたのか。
もっともっと聞かせていただきたかったと思います。
「正しくおそれる」遺伝性のがんについて
2019年10月6日 9:23 PM
10月は乳がん啓発月間です。
きょうの愛媛新聞では、遺伝性のことが取りあげられています。
https://www.ehime-np.co.jp/article/news201910060036
女優 アンジェリーナ・ジョリーさんのことで知られるようになった
遺伝性乳がん・卵巣がん症候群=HBOC
この当事者である菅野 綾さんのインタビューも掲載されています。
ご自身が経験した複雑な思いなども語ったうえで
「正しくおそれる」ことの重要性を指摘しています。
菅野さんは、孤立しがちな仲間との交流や
正しい知識を学ぶ機会を設ける活動にも積極的に取り組んでいます。
菅野さんたちの活動については https://www.clavisarcus.com/
遺伝性のがんについての相談先は…
●四国がんセンター:遺伝性がん診療科
https://shikoku-cc.hosp.go.jp/hospital/class/genetic_familial/
●愛媛大学附属病院:臨床遺伝外来
https://www.hsp.ehime-u.ac.jp/section/section/id/38
リレーフォーライフについて
2019年10月1日 9:18 PM
本日付の愛媛新聞に、
今年のリレーフォーライフについての記事が掲載されました。
この中で、わたしたちおれんじの会が参加しないことが書かれていますが
不参加に至った経緯や思いなどに全く触れられておらず
誤解を招きかねないと感じました。
そこで、9月10日に会員向けに送った文書を
ここに公開いたします。
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2009年におれんじの会会員を含む有志で高知のリレーに参加し、
2010年に愛媛での初めての開催となりました。
会員のみなさまはじめ、
医療者や企業・団体、そして多くのボランティアが集まり、
患者・経験者、ご家族、大切な人を見送った方々のことを
大事に想う24時間を積み上げてきました。
第1回の閉会式で、
おれんじの会副理事長だった小野光則さんが残してくれた
『つなげよう この24時間を次の24時間へ』というメッセージは、
その後もずっと受け継がれてきました。
9年間、ほとんど同じメンバーが中心となって開催してきましたが、
実行委員やチームのまとめ役をしてきた人達も年齢を重ね、
仕事や家庭の事情で参加が難しくなってきました。
そのために、昨年をもって実行委員会は解散いたしました。
後を引き継いで、今年は日本対がん協会愛媛県支部が開催することとなりました。
掲げるメッセージは新しくなり、
これまで以上に寄附集めの色を濃くしたリレーとなります。
もともとリレーフォーライフは、
研究支援や相談事業のために寄附を集めることも大きな目的の一つではあります。
しかし、それ以上に大事なのは、
参加している当事者を大切にすること、
その場に来られない方々を静かに想うことだと、わたしたちは考えてきました。
そうしたわたしたちの考えが、
今年のリレーでは希薄になっていると感じ、
役員会で慎重に検討した結果、
今年のリレーにはチームとしての参加は見送るという結論に至りました。
年に一度のこの日を楽しみに、
励みにしてくださっている方々には本当に申し訳なく、
残念ですが、ご理解いただければ幸いです。
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第1回のリレーフォーライフが終わって数日後
手紙が届きました。
たどたどしい文字で「お父さんと一緒に歩いたよ」と書かれていました。
この子の父親は、すい臓がんで旅立っていました。
リレーフォーライフの会場で、母親と手をつないで一緒に歩きながら
たくさん思い出話をしたのでしょう。
反対側の手は、きっと見えない手につながっていたんだと思います。
この手紙を読んだときに
愛媛で最初のリレーフォーライフを立ち上げた苦労はすべて飛んでいきました。
9年間、実行委員の仲間と一緒に大切に、大切にしてきたリレーフォーライフ。
わたしたちは離れましたが
参加してくださる患者さんやご家族、大切な人を見送った方々にとって
これまでと同じようにあたたかな時間になりますように。